過去問の使い方には,大きく分けて2通りあるのではないかと思います。「問題の傾向を把握する」「本番の予行演習を行う」この2つです。過去問を解くということはほとんどの人がしていると思うのですが,どちらの目的で今使っているのか,それを明確にしましょう。早速,2つの用途について書きたいと思います。
- 傾向把握: センター試験にしろ,2次試験・私立にしろ,問題の傾向は,毎年ちょっとずつ変わりますが,大体は同じような感じです。過去問を買ってきたら,別に解けなくてもいいから,大体の問題の様子を眺めてみるのです。例えば,東大の英語なら,「毎年最初に要約があって,第3問にはリスニングがあって,その他文法・自由英作文・和訳・長文読解があって,最近は段落整序があるな」くらいでいいんです。細かすぎるところまで見てはいけません。どういうことかというと,みんなのよく知っている例で言うと,2000年度以降の英語のセンター試験です。最初の発音問題ですが,徐々に傾向が変わってきているでしょう(単に語句の発音を問うものから,文の中での強勢を問うものに変化)。それとか,2001年度の国語だって,文学史が入ったり設問形式が変化したりというのがありました。あまりにも過去問に執着しすぎると,こういった細かい変化にすら戸惑ってしまいますからね。ほどほどにしておくのが一番です。
- 本番の予行演習: 時間配分の計画(※)と,弱点の把握が主な目的です。こちらは,結構直前になってからやってもいいかもしれませんが,国公立の2次試験の過去問とかだったら秋頃には3年分くらいはやっておいたほうがいいでしょうね・・・。秋頃に実際に解いてみて,自分の力の足りないところがどこかを把握して,そこから2月までの間で補強していく(★)のです。併願の私立なんかは直前でも十分だとは思いますが。また,本番の直前にも,「勘」を養うという意味で,過去問や大学別模試・その過去問を解いてみることをオススメします。
(※:時間配分の計画も大切ですが,絶対に問題の数とか種類とか並び方とかは変わっているので,本番でも臨機応変に対応できるように!)(★:漠然と弱点を把握するだけじゃなくて,科目別にどのくらい伸ばせそうかをちゃんと把握してから補強の計画を練るといいでしょう。例えば,100点満点で70点とれた数学と,150点満点で60点だった英語とがあるのなら,英語を中心に勉強していけばいいわけです) まあこのくらいだけ頭の中に留めておけばいいでしょう。過去問を解いているうちにここで言ってることも分かると思います。次の章からは,科目別に注意したいこととかを書いていきます。そして,最後に,大学別模試の使い方についても少々書きます。(注:アンケートでは,科目別というリクエストがありましたが,ここでは地歴公民を除く科目について書きます。)
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