センター対策から克服する現代文

(最終更新日:2002年2月1日)

現代文は,スイカ割りである。

 私が中3から苦手だった現代文。高3になって,秋頃からセンター型の勉強をしたら,何故か成績が急激に伸びてきた。その真相は!?
(このアドバイスは,アンケートの希望によって,書くことにしました)

1.ケーススタディ:TELの場合

 思えば,国語がキライになったのは,中学校のときがキッカケなのかもしれない。2年の頃の担任が国語の先生で,それがどうも好きになれなかった・・・。別に勉強をサボったというわけでもないが,他の4科目(英語,数学,理科,社会)と比べると,やはり見劣りする成績だった。

 高校に入ると,その傾向はますます顕著になった。現代文の成績は,10段階評価の6程度を彷徨っている,至って普通の人間になってしまった。この頃の私の現代文に関する考えを一言で表すならば,「こんなの才能だよ。出来る奴は出来るし,出来ない奴は出来ない。

 後から思い返してみると,現代文の苦手な人こそこういったセリフを吐いている。そういう人は(当時の私も含めて),普通に読書するときと同じようにしか教科書や問題文を読んでいない。「これを改めるキッカケとなったのが,センター型の現代文の勉強なんだ」,と,今では思っている。

 高3の秋頃,「きめる!センター国語I・II−現代文(船口明 著,学研)」を購入,これに書いてある方法に従って問題を解いていった。こういった参考書のやり方で問題を解くのは初めてだったので,少々戸惑いもあったけれど,センター型の模試でもじわじわと点数が上がっていく自分を実感していた(2000年度本試験128(62)点→2001年度本試験153(80)点。カッコ内は現代文)。

 そして,思わぬ副作用(いい意味で)が,記述の点数も上がっていったこと。東大模試の国語の偏差値を列挙してみると,45.7, 58.1, 58.8, 61.0, 62.2, 71.6。(左から,7月代ゼミ,8月河合,駿台,11月駿台,河合,12月代ゼミ)。前3つと後ろ3つをまとめて比較すると,よく分かるのではないかと思う。

 ここから分かることは,少なくとも私だけについてのことだが,「現代文が出来なかったのは,国語の才能が無かったからではなく,問題文をありのままに読むことが出来ていなかったから」なのだろう。実際,センターの問題というものは客観的に文章を読むことが出来れば正解にたどり着けるようになっている(むしろ,そうなっていないと試験にならない)。ちょっと力を向ける方向を変えるだけで,現代文は出来るようになった。  

2.センター現代文の対策

 「きめる!センター国語I・II−現代文(船口明 著,学研)」という本を,上で紹介しました。実際,センターの参考書なら何でもいいのかもしれませんが,私はこの参考書しか国語の参考書は持っていないので,とりあえずはこれをオススメします。

 さて,上でもいくらか書いたことなのですが,問題文を正しく(=自分の主観を交えずに)読み取って,選択肢も読み取ることが出来たならば,現代文はある程度まで(偏差値65程度??)は出来るようになります(言うまでもありませんが,これは自分の経験にしか基づいていないので,本来は「出来るようになると思います」と書くべきところなのですが,そう書いてしまうとこの文章の訴えるパワーが小さくなってしまうので,「思います」という言葉は省きます。他のところの勉強法とかを読むときにも同じ事が言えますよ)。

 具体的にはどういうことかというと,「指示語を正しく捉えているか」「接続語に注意して文を読めているか」「言い換え・比喩などを意識しながら読めているか」「筆者の立場を把握しているか(賛成or反対or中立)」などですかね・・・。もちろん,ある程度の日本語の能力があることが前提です。例えばセンター試験だって,「傍線部「〜〜」とはどういうことか」ていう質問があるでしょう。あれは「指示語」「言い換え・比喩」などを問うてる問題なのです。

 このような問題を間違える要因は,3つしか考えられません。「(1)指示語を捉える問題ということに気付いていない」「(2)指示語を捉えればよいというのは分かっていても,それが捉えられない」「(3)指示語を捉える問題ということに気付いて,捉えることも出来たが,選択肢の吟味を誤った」。そして,私が間違えていた要因を分析してみると,圧倒的に1と3が多かった(その中でも特にが多かった)のです。

 これが何を意味しているか。比喩で説明してみると,スイカ割りです。
 現代文が苦手な人は,目隠しをしてグルグルと回された状態にいるのです。ここからスイカを確実に割るには,目隠しを外して,スイカのところまでちゃんと歩いていって,スイカを叩くという3つの段階を経る必要があります。ここまで来ればもうお分かりですね。さっきで言う(1)が,「目隠しを外すことが出来るか」。(2)が,「スイカのところまで歩いていけるかどうか」。(3)が,「スイカをちゃんと叩けるか」。ということなのです。

 私は,センター型の対策をして,目隠しを外す技術を身に付けました。また,多少なりとも,スイカを叩く方法を身に付けました(完全とはいかなかった)。この2点の進歩から,私は現代文を克服したというわけです。

 学校で勉強をサボらなかったのに問題が解けなかったというのも,これで納得です。学校で学べるのは,(2)の方法だけなのです。授業は,それなりに有益なものだとは思うのですが,各自で(1)と(3)を補う必要があります。

3.そして,2次の現代文

 東大と京大の理系(京大の工学部を除く)は,国語もばっちり2次試験に出題されます。日本の双璧を成すともいえる国立大学が,意味も無い試験を課すこともないと思うので,やはり何らかの理由はあるのでしょう。その理由を,私個人としては,『本文から読み取ったことを,自分の言葉でまとめる力を問うため』と解釈しています。

 やはりセンター試験とは問う力が違うと思うので,上のスイカ割りの例を少し変更したいと思います。(1)が,「目隠しを外すことが出来るか」,(2)が,「スイカのところまで歩いていけるかどうか」,というのは変更ありませんが,(3)を,(3)'「スイカを叩いて,割って,食べて,味わうことが出来るかどうか」に変更します。こうすれば,大体は納得できます。

 比喩を先に出すという,文章の原則に反したことをやらかしてしまいましたが,これはなるべくイメージを抱きやすくするためです。前段のスイカ割りのイメージをずっと持っていて欲しいからなのです。
 さて,じゃあスイカを叩いた上で,割って,食べて,味わうとはどういうことなのでしょうか。答えを先に言ってしまうと,「文言に隠された真意を汲み取り,自分の言葉に変換する」ということです。センターでは,用意されたスイカ(=選択肢)というものを叩きさえすればよかったのですが,2次試験ではあらかじめ選択肢は用意されていません。言葉(スイカの皮)という上っ面のものに隠されている(といっても,ちゃんと文から読み取ることが出来る)筆者が本当に言っていることを解釈して(スイカを割って),それを自分の言葉に直して(食べて)書く(味わう)ことが必要なんです。

 しかし,この「割る」ということは意外と簡単です。スイカの場所(問題で問われている場所)さえ分かっていれば,あとは力をこめて叩く(比喩や指示語などを徹底的に解釈する)だけで,スイカというものは割れてしまいます。また,「食べて,味わう」というのはもっと簡単です。それこそ,日本という,日本語を母語とする国に暮らしていて,ある程度の読書量・文を書いた量をこなしていれば,問題はありません。

 私の場合,それは日記でした。高3の5月からずっと日記を書いていたのですが,それがキッカケで,自分の言葉で物事を記述する力がついたように思います。社説とかを要約するというのをやってもいいんですが,何しろ面白くないし,どうしても社説の中の言葉を使ってしまいがちなので,慣れないうちは日記などという易しいことから始めるといいです(で,結局最後まで日記しか書かなかったんですが)。

4.最後に

 とりあえず,まとめておきます。題して,スイカ割り現代文!!

<センターの場合>
オススメ参考書は,「きめる!センター国語I・II−現代文(船口明 著,学研)」。これで,次のことを学習する。
  1. 問題が,何を問うているのか(指示語,比喩,etc.)に気付く。
  2. 問うているもの(例えば,指示語が指しているもの)を,文中で探す。
  3. 合致する選択肢を選ぶ。
<2次の場合>
  1. 問題が,何を問うているのか(指示語,比喩,etc.)に気付く。
  2. 問うているもの(例えば,指示語が指しているもの)を,文中で探す。
  3. 文言の裏にある真意を自分の言葉で言い換えて書く。
現代文の問題を解くときは,常にこれを意識するようにしてください。きっと克服できますから。

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