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こんな読書感想文を書いてはいけない

なんか私は大昔にこんな読書感想文を書いていたみたいだ,と友人から送っていただきました。恥ずかしい…

読んだ本は,夏目漱石の「こころ」です。学校で指定されたので。。

緒言

5年前の自分は,なんとこれを友人のウェブサイトで公開し,それに「緒言」まで書いていました。恐ろしいほどのバカだ…

5枚も書くのはしんどいと思い、インタビュー形式を思いつきました。
まったく自分のオリジナルです。使うときは著作権料を払うように(笑い)
調子に乗って書き続けていたら、7枚目まで突入してしまったので、
どうにかして5枚以内に押さえました。
まだ感想文が書けていない人にアドバイス。
「こころ」は長いので、全部を使って感想文を書くのは無理です。
私のように、「下」だけを使って書いたほうが、より深く考えることも出来、
良い感想文になります。
だらだらとした感想文だけにはしないようにしましょう。
ある程度のリズムも必要ですよ。

5年前くらいの自分は,いろんな意味で「汚点」です。ええ,もう。。

本文

インタビュアー「それでは、TELさんに『こ ころ』の感想を伺うことにしましょう。早速 ですが、この本を読んだ動機を教えていただ けますか。」

TEL「本当は読みたくなかったのですよ(笑) 学校で、これを読んで読書感想文を書け、っ て先生に言われて。何でこんなに古臭い文章 を読まなければならないのだ、って思いまし たね。案の定、始めの方はあまり面白くあり ませんでしたね。『私』と『先生』が何やら仲 良くなっていって何なのだと。」

インタビュアー「その思いをくつがえしたの は、一体何だったのですか。」

TEL「『下』から突然話が面白くなり始めたの です。『先生』が書いた遺書の中の、自白の文 章です。その『下』の前半の登場人物は、『先 生』、とその叔父が主なところです。
 両親を無くした『先生』は、叔父に引き取 られます。『先生』は、叔父に早く結婚するよ うに勧められます。しかも、その相手は叔父 の娘、つまり、『先生』にとっての従妹だった のです。『先生』はその話を断りました。する と、叔父の態度は一転して、挙句の果てには 唯一頼りにしていた叔父に、財産を横領され てしまったのです。」

インタビュアー「なぜ叔父はそのようなこと をしたのでしょう。」

TEL「それは、叔父の『エゴ』ではないかと 私は思います。自分が金持ちになりたい、と 思うあまり、弱者である『先生』の財産を横 領したのではないか、と思います。」

インタビュアー「後半はどのようなシナリオ になるのですか。」

TEL「後半が『こころ』のクライマックスで す。『先生』は、家を出て、『奥さん』と『お 嬢さん』の経営する素人下宿に入居します。 そこで、『先生』はお嬢さんに人目ぼれしたよ うですね。そして、その下宿へ、『先生』の最 も親しい友人である『K』を連れて来ました。 すると、今度はKまでがお嬢さんにほれてし まったのです。親友である先生とKが、同じ 人を、それも同じ下宿先のお嬢さんを好きに なってしまった、これは大変なことです。」

インタビュアー「すると、今でもよく見られ る『恋のけんか』になってしまうわけですね。」

TEL「ええ。しかし、この場合は『けんか』 というよりはむしろ、先生が一方的にKを責 めただけです。つまり、先生は、Kに対して 『おまえはお嬢さんの相手にふさわしくな い』というような発言を、Kを叩きのめすよ うに言いつけたのです。そして、Kが悩みに ふけっているすきに、先生はお嬢さんとの結 婚を決めてしまうのです。その三日後、Kは 自殺してしまいました。」

インタビュアー「Kのお嬢さんに対する思い はよほど強かったのですね。」

TEL「ここでKの人柄について述べたいと思 います。性格は、良く言えば『素直』『正直』 ですが、悪く言えば、『単純』『騙され易い』 といったところです。お嬢さんに対する思い は、常に態度に表れていました。お嬢さんに 思いを寄せていることも先生に話しています。 それ故に、先生も事を早く進展させようと、 Kを追い詰めていったのでしょう。『お嬢さ ん』という生きる目標を失ったKは、潔く自 殺することを決めたのでしょう。」

インタビュアー「お話を伺っていると、『下』 では『エゴ』を中心として話が進んでいるよ うに思います。TELさんは、『エゴ』について どのようにお考えですか。」

TEL「私も、この文章を読みながら、『エゴっ て何なのだろうな』と考えてみました。人間 っていう生き物は、やはり『こころ』のどこ かに自分勝手な部分があるのでしょう。しか し、あまりにも自分勝手なことばかり言うと 他人に嫌われるから、普段はみんなそれを心 の中に隠しています。では、いつエゴが現れ るのか。それは、『金』と『恋人』が絡むとき です。この二つは、現代社会に生まれた人間 なら、誰もが『自分のものにしたい』と思っ ているはずです。私もまた然りです。その欲 望を持っていない人は、よほど自己抑制が出 来る人、またはただ何も考えない人でしょう。 日本人1億2500万人、そのような欲望を 持っていない人は、ほんの一万人くらいしか いないと思いますよ。
 結局、夏目漱石は、まず一つ目に、『人間は 誰もがエゴを持っていること』二つ目に『そ のエゴは自分に関係のあること、特に金や恋 人に関係してくるときにその姿をあらわす』 ということを言いたかったのでしょう。」

インタビュアー「結局は、そのエゴとどう付 き合っていくかが、うまく生きていく上で大 切になるのですね。最後に、これから『ここ ろ』を読もうと思っている人に一言どうぞ。」

TEL「この文章には、とても緻密な心情表現 がたくさんあります。その一つ一つをじっく りと味わいながら、漱石が述べたかった、『エ ゴ』について、今までの自分の行いと重ね合 わせながら考えてみて欲しいですね。」

今から考えると…

よくぞこんな風に書こうと思い立ったなぁと自分でも関心することしきりです。

警告

こんな稚拙な(ありがちな)読書感想文なんて,読んでも面白くないので,ダメです。

じゃあ何を書けばいいの?

登場人物の気持ちにならない。あらすじを書かない。といったことは,読書感想文にはあるべき姿でしょう。なぜならば,求められているのは,「感想文を書いている本人の感想」なのであって,登場人物の心境などは求められていないからです。

参考サイト

Googleで「読書感想文」と検索してみる
書き方を紹介したすばらしいサイトが山ほど出てきます。
悩める青少年に朗報!読書感想文は1行読めば書ける!
ふざけているように見えて,実は読書感想文の本質を突いたサイトです。
読書感想文
まさかあんな本で読書感想文を書いてしまうとは…