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生物IB・II標準問題精講

難易度網羅性解説総合
評価不能 3 1 1
表紙画像
時代遅れの練成型問題集。あまり薦められない。

一目で分かることは,問題が古いこと。↓で取り上げた生活史の問題は範囲内だが,旧課程(1993年(?)改定)の問題も散見される。その他の評価は↓の項に譲る。初版発行が1984年で,三訂版が1996年となっているが,何故か筋収縮のエネルギーがIBに分類されているなど,果たして内容が改訂に追いついているのかは疑問だった。確かに,初版のころは「名著」であった。しかし,その形に囚われているあまり,現在においては少々時代遅れな本であると称さざるを得ない。他の問題集を差し置いてあえてこの本を選ぶ必要もないだろう。

P68,69 植物の生活史
率直な感想を箇条書きで記す。
  1. 問題の解説が貧弱である。その割には何故か,用語の解説がしてある。致命的な欠点である
  2. 編集に一貫性が感じられない。限られた問題数の中に無理やりポイントを押し込めるあまり,問題集を解いているのか,まとめノートを見ているのかが分からない
  3. レイアウトが悪い。B6見開きのページに,無理やり問題とその解答を押し込めることにより,解説が非常に貧弱となっている。本の大きさを大きく(B5見開き以上)するか,もしくはページ数を増やすべき。
  4. 不要な知識が多い。「着眼」の解説は不要。紙面が足りないはずなのに,非常に不可解である。
  5. 取り扱う項目の順序が教科書のそれと大きく異なる。分野横断型の問題集なのであればこれは仕方ないが,この問題集はそのようなものではない。
「じゃあ,ちゃんと問題を見て,貧弱な解説も自力で読みこなせるような人が取り組めばよいだろう」という意見も出てきそうだが,そのような人はもっとハイレベルな問題に取り組むべきだ。もはや,その存在自体を見直されなければならない問題集だろう。

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